DE017:ドイツの商習慣――彼らは「値段」ではなく「切り替えコスト」(など)を見ている

ドイツ編

※あくまでも自身の経験と個人的な意見に基づきます

ドイツ人への営業は難しい。
その理由を「価格にシビアだから」「合理的だから」と片づけるのは、正直かなり浅い。

彼らが見ているのは、値段そのものではない

計算しているのは「人と人とのつながり」

ドイツの取引先と話していて強く感じるのは、
業者との関係性そのものが資産として扱われているという点だ。

  • 誰が担当してきたのか
  • トラブル時にどう動いたのか
  • 約束を守ってきたか

こうした積み重ねは、単なる感情論ではない。
彼らにとっては、明確な「評価対象」だ。

だからこそ、
「今の業者で特に問題がない」という状態は、
それだけで大きな価値を持つ。

業者を替えるという“作業”の重さ

ドイツ人が慎重なのは、感覚的な話ではない。
業者を替える工程そのものに、明確なコストを見ている

  • 社内での説明・承認プロセス
  • 現場オペレーションの変更
  • 新しい担当者とのすり合わせ
  • 想定外トラブルへの不安

これらはすべて、時間的コストであり、
同時に精神的負荷でもある。

彼らは、これをきちんと計算している。

「安くなる」だけでは割に合わない

仮に価格が少し下がったとしても、
そのために発生する社内調整、責任、ストレスを考えれば、
「替えないほうが合理的」という結論になることは多い。

だから、

  • 少し安い
  • 少し早い
  • 少し新しい

この程度のメリットでは、話は動かない。

ドイツ人がドライに見えるとしたら、
それは感情を排した“総コスト思考”をしているからだ。

実は「値段は二の次」な世界

ここが、物を売る側として一番重要なポイントだと思う。

値段は二の次。
まず問われるのは、

  • この会社は長く続くのか
  • 担当者が変わっても品質は保たれるのか
  • 何かあったときに逃げないか

これらをクリアして、ようやく価格の話になる。

順番を間違えると、どれだけ安くても相手には響かない。

売る側が覚えておくべきこと

ドイツ市場では、
「値段で勝負しよう」と思った瞬間に、だいたい負ける。

それよりも、

  • 小さくても確実な実績を積む
  • 約束を守り続ける
  • 変えなくていい理由を壊さない

この積み上げのほうが、はるかに効く。

安易ではない。
だからこそ、売る側も安易になってはいけない。

おわりに

ドイツ人は、値段だけで物を買わない。
人と人とのつながり、
業者を替えるために必要な時間、
その過程で生じる精神的負荷――

それらすべてを含めて「合理的」に判断している。

物を売る側は、
価格を下げる前に、信頼を積み上げているか
一度、真剣に考えたほうがいい。

値段は、最後だ。

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