思えばドイツって、なぜだかんだで私の中では“いいイメージ”の国なんです。ビールもうまいし、ソーセージもうまいし、クリスマスマーケットは絵本の世界みたいだし。でも不思議なことに、真っ先に思い出すのは「美しい思い出」よりも「やらかしたエピソード」ばかり。
スーパーで袋を持っていなくて慌てて抱えきれないくらいの食材を両手に山積みにしたとか、レストランで「水」と頼んだらドヤ顔で炭酸入りミネラルウォーターが出てきて、シュワシュワしすぎてむせたとか。あれもこれも、黒歴史の宝庫。
不思議ですよね。普通なら「いい国だったな〜」で済むはずなのに、私の場合は「いや〜失敗したな〜」のほうがやたらと記憶に残っている。結局のところ、人間ってうまくいったことはすぐ忘れるのに、赤っ恥をかいたことだけは一生モノで残るんですよ。まるで脳内に「ドイツ笑い話フォルダ」が勝手に作られて、そこに全部アップロードされてるみたいに。
だから話そうと思えばネタが尽きないんです。ドイツの街並みの美しさよりも、私の情けない姿のほうが生々しく蘇ってくる。結果として「ドイツ=いい国、でもなぜか笑える国」という、私にしかない奇妙なイメージができあがってしまったわけです。


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