多くの企業では、トップ経営者の意図が中間層を経由することで歪められ、現場に正しく伝わらないという問題が起きています。その結果、本来の目的から外れた“意味のない指示”や“手段ありきの施策”が現場に降りてしまうのです。議論の焦点も目的ではなく、手段そのものにとどまってしまいます。
本来、中間層の役割とは「目的を実現するために最適な手段を選び、提示すること」にあります。そのためには、数多くの現場経験を通じて手段の引き出しを蓄積しておくことが欠かせません。現場を知る管理職が強いといわれるのは、この理由によるものです。
しかし現状では、十分な経験を持たない中間層が増えています。そのため、まず手段を一から考え出すことに時間を費やし、意思決定を遅らせ、場合によっては組織を誤った方向に導いてしまいます。
たとえ下層経営層であっても、数多くの手段を経験として持ち合わせていなければなりません。中間層が“手段の蓄積”を怠れば、企業全体の競争力を失うことにつながります。これこそが、今日の日本企業における大きな弱点なのです。
またTOP経営者といえどサラリーマン化している。意図をもって経営にあたっているTOP経営層ももやは絶滅危惧種になっていることを付け加えたい。
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