US004: 世界で最も保守的な国? ― 私が感じたアメリカの不思議な現実

アメリカ編

これは、あくまでも私個人の意見であり、統計や学術的調査に基づくものではありません。旅行や滞在を通して感じた、いわば「一人の観察者のメモ」です。

私の目に映るアメリカは、世界で最も保守的な国の一つです。自由の国と言われながらも、実際には自己顕示をしなければ存在を認められない社会。家や車、服装から職業経歴まで、あらゆるものが「自分を示す看板」となります。そうした支出は浪費ではなく、自己防衛のための投資という感覚が強くあります。

暮らす人々(国籍を問わず)の多くは、「アメリカこそが世界だ」という空気を自然と吸い込んでいます。あるアメリカ人は、自国以外で時差が発生することを知らなかったという話も耳にしました。笑い話のようで、内向きな情報環境を象徴しているように思います。

スポーツも同じです。バスケットボールの決勝戦や野球の「ワールドシリーズ」は、国際大会ではないのに「世界一」を名乗ります。これもまた、「世界=アメリカ」という暗黙の前提があるからこそでしょう。

法律面でも、アメリカは交渉より裁判を好む傾向があると感じます。これは批判ではなく、国の成り立ちや歴史的背景が生んだ文化の一部でしょう。戦勝国であり続けたこと、個人の権利を徹底的に守るという姿勢が、法廷という舞台を日常的な解決手段にしているのだと思います。

さらに、一つの州だけで見ても、世界の中で一国に匹敵する規模や経済力を持つ場所がいくつもあります。それが集まって一つの国を作っている――その自己完結性は、外から見れば独特であり、時に奇妙にすら映ります。

繰り返しますが、これは私の個人的な印象であり、アメリカという国を全否定するものではありません。むしろ、この保守性と自己完結性こそが、アメリカが長く世界の大国であり続ける理由の一つなのかもしれません。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました