ドイツでの新生活。
いよいよ初出社の日、ドキドキしながらオフィスのドアを開けたのを覚えています。
最初に出迎えてくれたのは、ドイツ人スタッフたちの笑顔。
あたたかく、にこやかに「ようこそ」と迎えてくれたその雰囲気に、少しホッとしたのも束の間――。
内心では、こう思っていました。
「この笑顔がいつまで続くかな……たぶん最初だけだろうな」と。
自分の英語力も、正直そこまで自信があるわけじゃない。
とりあえず、前任者との引き継ぎ作業を進めながら、少しずつ職場の空気に慣れていく日々が始まりました。
住まい探しの壁と、ドイツの「不動産事情」
仕事と並行して進めなければいけなかったのが、家探し。
これがまた、なかなかにハードな戦いでした。
ドイツでは(というか世界中そうかもしれませんが)、大家さんの力が絶大です。
「貸すか貸さないか」は完全に大家さんの裁量次第。
四人家族で安心して暮らせる家を探すには、かなり神経を使いました。
最終的には、日本人経営の日系不動産会社を通して、やっとのことで物件を確保。
日本人が多く住むエリアから少しだけ離れた場所で、家賃は1400ユーロ。
決して安くはなかったけれど、安全第一で決めました。
とはいえ、その過程でどうしても腑に落ちないことも。
あまりにも日本の不動産会社とドイツの日系不動産との対応の違いに、正直イライラする場面も多々ありました。
(このあたりは別記事でしっかり書きたいくらいです……)
なんとか借りられたアパート。そして一人の日々。
無事に大家さんへの挨拶も済ませ、書類のやりとりも終え、やっと住まいを確保。
「ふぅ……」とひと息ついた瞬間に、ふとよぎった思い。
ここで、しばらく家族が来るまで一人か……。
新しい国、慣れない職場、まだ片言の英語。
そして誰もいないアパート。
そんな不安と静けさの中、ドイツ生活がようやく動き出しました。
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