DE003:【住まいは戦場】ドイツでの家探し、そして知らぬが仏の“ケラー”事件

ドイツ編

ドイツに来て、最初の数日はホテル暮らし。朝はクロワッサンとハム、夜は時差と戦う枕元の沈黙。
でも、いつまでも“お客様”ではいられない。家を探さなくてはならない。

ということで、日本人がいる不動産紹介会社に頼ることに。安心・安定の日本語サポート。
2社に声をかけたけれど、リーマンショック後で物件少なっ!! え、こんなにないものなの?

しかも、のちに家族も来る予定だったので、住環境も大事。「何となく」で決められない。
…が、何となく時が過ぎていく。やばい。ホテル延長のタイムリミットが近づく。


そして、運命の物件と出会う。

見つけた物件は、まさに“地上と地下の狭間”。
パッと見二階建て、でも実は地上階+半地下。ヨーロッパっぽい、ってことでテンション上がる。

間取りはというと、

  • 狭い部屋が二つ(寝室と物置?物置と寝室?)
  • 広めのリビングキッチン(ここは合格)
  • 謎に広い地下(え、住めそう…?)
  • シャワールームのみ(バスタブは幻)

そして地下には、どの家にもあるという“ケラー(倉庫)”が。

が。

開けてみたら、既に何か入ってるんですけど。
なにこれ、先客? ゴースト? 忍び寄るホラー感。

後に分かったのは、隣の建屋に住んでいる大家の息子が、自分の荷物をしれっと置いていたというオチ。

不動産屋に言ったら、まさかの逆ギレ。「えっ、なんで怒られてんのこっち!?笑」
まあ、面倒なので「それでいいや…」と、荷物シェアライフスタート。


気づけば7年。人生とは、こうも静かに罠を張ってくる。

その家に7年住むことになり、さらに言うと、まさかの+5年で帰国不能モード突入
人間、未来って本当に読めません。地下のケラーと同じくらい見えない。


【解説コーナー】ドイツ賃貸、知らなかったでは済まされない世界

ドイツの大家さん、法的にめっちゃ強いです。契約書を交わした瞬間、あなたはテナントではなく「管理される側」になります。

以下、経験からの生きる知恵リストをどうぞ:

● 契約書はドイツ語。読めなきゃ読める人を呼べ!

ドイツ語読めないまま契約したら、
「日曜にトイレ流したら違約金」くらいの罠、余裕であります(実話ではないけど近い)。

● 音問題は超重要

  • 日曜に掃除機?アウト。
  • 夜22時以降の洗濯?「ノイシュヴァンシュタイン城に勝手に泊まった」くらいの罪。
  • 夜間トイレもグレー。小はともかく、大は……その、忍びの者のごとく。

● 契約期間&退去通知は要チェック!

「最低2年住め、退去は3ヶ月前に通知」みたいな地雷文言、契約書にさらっと書かれてます。
気づかずに「来月引っ越します〜」なんて言ったら、「いや、違約金です(ニッコリ)」。

● 原状回復は“原状”じゃない

「普通の掃除じゃダメなんですか?」
→ いいえ、“壁の塗り直しレベル”のリノベ要求されます。

「え?そこまで?」って思うけど、請求はガチ。数千ユーロ飛ぶことも。

● 入居時インスペクションは戦い

壁の傷、ドアの軋み、カーテンのシミ、床のキズ、全部写真に撮れ!
将来、請求されないための「防衛戦」です。


【結論】住むって、サバイバル。

外国で家を借りるのって、物件選びだけじゃなくて、文化理解と契約の落とし穴避けゲーム。

でもその分、ちょっとずつ「自分の場所」になっていく。最初はケラーの荷物にびっくりしても、数年後には「まあ、あれもあったね」と笑えるから不思議。

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